中国Baidu発表のAndroidブラウザアプリがHTML5testスコア482と図抜けた成績を示す
中国Baiduが新たにリリースしたAndroidブラウザアプリ「百度浏览器(Baidu Browser)」が、HTML5対応やJavaScript実行速度で空前の数字を叩き出しています。
詳細は、現在はBaiduに勤務するadamrockerさん(=Android向け日本語入力ソフトSimejiの作者)のBlogに記されています。
私も、手元のGalaxy Nexus(Android4.1.1)で試してみましたが、HTML5への対応度を測るHTML5testでスコア482(満点は500)、JavaScriptの実行速度を測るOCTANEでスコア1431。
HTML5testで482(500点満点)と空前のスコアを記録
ちなみに、同じGalaxy Nexus(Android4.1.1)上のChrome for Androidでは、HTML5testがスコア369、OCTANEが1287です。
さらに、私が今使っているMacOS X版Chromeバージョン 21.0.1180.89のHTML5testスコアが437。
つまり、この新モバイルブラウザのHTML5testスコアはAndroid版Chromeを上回り、それどころかデスクトップ版Chromeをも上回る好成績を叩き出しています。前出のadmrockerさんのBlogでも、あらゆるベンチマークで「ダントツ」の結果と評しています。
なお、このスコアを叩き出すためには、 http://shouji.baidu.com/browser/ で配布しているバージョンをインストールして、さらに「T5内核(T5 Kernel)」を追加インストールする必要があります。
弱点もあります。まず、ユーザーインタフェースの表示文言が中国語なので、私にはよく使い方が分かりません。それと、いかにも開発版らしいバグが残っていて、いろいろテストしているうちに画面が白一色やグレー一色で何も表示されない現象に遭遇しました。
とはいえ、英語版UIを作ることは難しくないでしょうし、明かなバグはやがて改善されることと思います。
今までAndroidブラウザを含めたモバイル版ブラウザのHTML5testスコアは、Tizenが記録したスコア400が最上位クラスでした。 TizenはスマートフォンOSとしては後発だが数千万台の市場、HTML5アプリのターゲットとして有望か
今回のスコア482はそれをはるかに引き離しています。モバイルブラウザのダークホース登場です。
追記:
このBaidu Browserは、Tegra2搭載機(Motorola Xoom、LG Optimus Pad、Sony Tablet S・P、Acer Iconia Tab A500・A100・A200など)では記事で紹介したような高スコアは出ないそうです。
Baidu Browserは「T5 Kernel」をインストールすることでベンチマーク結果が飛躍的に向上するのですが、T5はNEON(ARMが提供するマルチメディア高速化エンジン)を利用している模様です。一方、Tegra2はNEONをサポートせず(その代わりにNVIDIAのエンジンを搭載しています)、したがってTegra2搭載機ではT5は使えず、高スコアも出ない、ということのようです。
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