普通の人が行政データを元に政策の対案を作って公開するインターネットサービス「You Choose」
Twitterタイムラインで、津田大介さんの行政データ公開に関するツイートが目に止まりました。そこで連想したのが、英国で開発された、歳出削減案の是非を市民が検討できるインターネットサービス「You Choose」です。
津田大介さんのツイートは「『対案なき提案はダメ』という言説を警戒しよう」という文脈の中でのものですが、その中で「データは重要」という話題が特に気になりました。
@tsuda もうひとつ。対案を作るために必要なデータは日本の場合はたいがい官庁が独占しているか、なんだかんだで官庁が出すデータしか公的な権威を認めない変な風習があるので、そもそも政府の方針に反対する側が満足のいく「対案」を作ること自体に無理がある以上、前提にすべきではない。
— toshi fujiwara/藤原敏史 (@toshi_fujiwara) July 1, 2012
だからこそ、ポリシーウォッチとともに霞ヶ関文学を超えていくための圧倒的データジャーナリズムが求められているわけだな。そこに圧倒的に足りてないのはUIとUXが提案できるデザイナーとそれを実装できる意志を持った技術者だと思う。
— 津田大介 (@tsuda) July 1, 2012
ここで指摘されているように、データの公開、活用が大事なことは言うまでもなく、さらに多数派の人々に向けて分かりやすくアピールするための視覚化(デザイン、ビジュアライゼーション)も重要になってきます。伝わらなければ、公開の意味は大幅に薄まってしまうからです。
さて、「You Choose」は、元々はロンドンのレッドブリッジ特別区が作ったサービスです。「歳出削減案に対する対案を、公開されている行政データに基づき市民が作成できる」という内容です。その意図は「歳出削減がいかに難しいかを知ってもらう」ということですが、しかし結果として、「どの項目を削減すべきだと人々が考えているか」という民意を示すデータを公開するサービスにもなっているのです。
このYou Chooseは、その後カバー範囲を大幅に拡大し、多くの地方自治体の予算削減案を作って公開できるようになっています。
このサービスの存在は、公開シンポジウム「オープンデータが拓く未来」で、川島 宏一氏(佐賀県特別顧問,IT戦略本部電子行政タスクフォース構成員)が紹介しているのを見て知りました。川島氏によれば、このサービスはレッドブリッジ特別区の職員が内製し、サービス外注に大金が使われた訳ではないそうです。
オープンデータの課題と実像──EU諸国や鯖江市の事例に注目、ライセンスも重要
データが公開されていれば、同じデータに基づいた政策批判や代替案の提案が、原理的には同じ精度でできる訳です。
また、せっかく公開されているデータに関しては、どんどん活用して、政策の検証や、より良い対案の作成をして、それを大勢の人々で共有する事が「みんなのため」になるはずです。
考えてみれば「市民が情報を持ち、対案を作れる」ことは、民主主義の前提そのものです。
そして、優秀で良い仕事をしている官僚、自治体職員にとっては、データの公開は望ましいはずです。データを共有することで、自分達が進めている政策の正しさを大勢の人々の前で証明できるからです。
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