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「Galaxy S III」を試す──違和感なく日常的に使える大画面高速機

サムスン電子が開発しNTTドコモが販売するAndroid4.0搭載スマートフォン「GALAXY S III SC-06D」(以下、Galaxy S III、または S III)を、10日ほど試す機会を得た(注1)。以下、レポートする。

Galaxy SIIIの外観。大人の男性なら片手で持てるサイズ。ロック画面に様々な情報・機能を付加できる
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このS IIIはNTTドコモが2012年5月16日に夏モデルとして発表し、6月28日より発売中の機種なので、すでに利用中の方も多いことと思う。今回は従来機種との感触の比較、ベンチマーク、アプリの使い勝手を中心にレポートする。

SIIIのカメラで撮影。撮像素子は800万画素。スナップやメモのための撮影には必要十分以上の写り 2012-07-10 11.28.06

Galaxyシリーズの操作性を継承

第一印象は──これは前モデルのGalaxy SIIの時もそうだったが──「速い、スムーズ、大画面」。Galaxyシリーズに慣れていれば、触った瞬間から違和感なく使える。おそらく、従来のGalaxyシリーズの利用者が乗り換えた時に、「違和感なく使えて大画面や高速性のメリットが感じられること」が設計目標の一つになっているのだろう。もちろん、他のメーカーからの乗り換えでも、ボタン配置を覚えればすぐに使いこなせる。

まず感じるのは大画面のメリットだ。4.8インチ、720×1280画素の大画面は、筆者が日頃使っているGalaxy Nexusの4.65インチより一回り大きい。Galaxy Nexusでは画面下部が操作用ボタンに占有されていて画面表示に使われないことから、実質的な画面の広さはさらに大きく見える。これだけ大きいと「ユーザー体験」として相当違うものになる。

画面サイズ4.8インチのGalaxy SIII(左側)と4.65インチのGalaxy Nexus(右側)を比較したところ
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本体下部のボタン配置は、中央に物理ボタンとして「ホーム」ボタンを配置、左に「メニュー」ボタン、右の「戻る」ボタンと、初代Galaxy Sから共通の並びを採用している。物理ボタンの形状は、Galaxy SやSIIが採用していた「四角い凹型」から「横長の凸型」に代わったが、違和感は感じない。Galaxyシリーズになれた人なら即座に使いこなせるだろう。異なるキー配置の機種から乗り換える場合、最初のうちは間違えるかもしれないが、ほとんどの場合は慣れることができるだろう。

Galaxy S IIIのスペック(NTTドコモ資料より)

  • 本体寸法 約137×71×9.0mm3
  • 質量 約139g
  • ディスプレイ 約4.8インチ、720×1280画素(HD)、有機EL
  • バッテリー容量 2100mAh
  • ROM/RAM 32GB/2GB
  • 外部メモリ microSD
  • カメラ機能 外側:約800万画素CMOS、内側:約190万画素CMOS
  • CPU MSM8960(デュアルコア) 動作周波数1.5GHz

開発元Webサイト

Galaxy S IIIは、筆者が日常的に使っているGalaxy Nexus(67.94×135.84×8.94mm3、約135g)に比べると、外形寸法はやや大きく、厚みはほぼ同じだがわずかに(約0.06mm)厚く、重量もわずかに(約4g)重い。しかし不思議なことに、持った感覚はS IIIの方が軽く、薄く思える。

S IIIは背面のデザインがシンプル&フラットで外装の仕上げが滑らかなこと、Galaxy Nexusの重心が本体下部に偏っていたのに対してS IIIでは本体中央にあり、慣性モーメントを感じる度合いが少ないこと、こうした微妙な差が積み重なって、「薄く軽く感じる」という結果につながっているのだろう。ただし寸法が大きいことから、手が小さな女性の場合は片手で持つと「手に余る」印象を受ける可能性があるだろう。

Galaxy SIIIの背面。シンプルでフラット
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性能は前モデルSIIよりワンクラス上

S IIIの性能を見てみよう。

搭載するSoC(System-on-a-Chip)は「MSM8960」。Qualcomm社のSnapdragonシリーズの第4世代(Snapdragon S4)のチップだ。28nmルールの半導体プロセスを採用、CPUコアのアーキテクチャも新しくなっている。WikipediaによればNTTドコモの2012年夏モデルでは10機種がこのチップを採用している。

Quadrant Standardベンチマークのスコアは4891だった。以前試したGalaxy SIIのスコアは3472だったので、約41%の性能改善が見られた。現行スマートフォンの中でも高速な部類に入る機種だ。

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浮動小数点演算の性能を測る「Linpack」では、188.665MFLOPS(マルチスレッド実行)を記録した。これは以前測定したGalaxy SII LTEが記録した75.881MFLOPSの2倍以上の成績だ。チップの世代が新しくなったこと、OSの進化でマルチスレッド実行の性能を引き出せるようになったことの両方が効いているように思われる。

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マルチタッチの認識点数は10点。これはGalaxy SIIと同等だ。スマートフォンの操作で指を10本以上使うことはほとんど考えられないので、オーバースペック気味ともいえる。この機種では、Androidアプリのマルチタッチの操作で不満を感じることはないだろう。

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古いJava処理系ベンチマークのCaffeineMarkではスコア12306を記録。SII LTEではスコア7029だった。

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今回はAnTuTuベンチマークも試してみた。スコア6439を記録した。

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SII LTEではNFC(Near Field Communication)機能を搭載していたが、このドコモ版S IIIはNFCの代わりにFeliCaを搭載し、Galaxyシリーズとして初の「おサイフケータイ」を利用できる機種となっている。そのため、NFCを活用したアプリや「S Beam」(端末どうしを近づけて情報を転送する機能)は試せない。

また今回はNTTドコモとの契約がない端末を借り出したことから、「おサイフケータイ」や「しゃべってコンシェル」のようなNTTドコモとの契約が必要なサービスは試すことができなかった。

大画面だとFlipboardが快適、Sメモも面白い

試してみたアプリの中で今回特に気に入ったのはFlipboardだ。ソーシャルメディアの情報などをページをめくっていく感覚で閲覧できる。元々iPad上の人気アプリだったが、最近Android版も登場した。大画面で操作が軽快な機種ほど、このアプリの魅力は引き出されると思う。

アプリ「Flipboard」の表示例。大画面・高速なSIIIとは相性がよい 2012-07-21 14.19.19

プリインストールの「Sメモ」も試してみた。Galaxy Noteで電子ペンと使うよう作られたメモツールだが、指先で操作してもそれなりに使える。例えば、スマートフォンで撮影した写真をメモに貼り付け、指先で手書きの線を書き込む、といった処理が手軽に行える。

Galaxy Noteでおなじみ「Sメモ」をSIIIで試してみた。指先で写真類の上に書き込むことができる
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「Chrome for Android」もお勧めのソフトだ。標準ブラウザより良好なレンダリング性能を示す場合が多く、またデスクトップ版Chromeとのブックマーク同期機能もある。

ゲームアプリ「Angry Birds」を7歳の息子に使わせてみたところ、大ハマリだった。操作性が軽快なスマートフォンは子どもにとっても良い遊び道具になる。

S IIIが搭載する独自拡張の中で、面白かったのが「Pop Up Play」だ。動画プレイヤーの画面をポップアップウインドウで視聴しながら、別のアプリを操作できる。

ところで、S IIIでスクリーンショットの取るやり方は、以前試したSII LTEと同じく「電源」と「ホーム」ボタンを同時に押すというものだ。SII LTEを試した時にはスクリーンショットを取ろうとして間違えて電源をオフにしてしまう事があったのだが、このS IIIでは1回も間違えなかった。

また、「設定→モーション→手のひらでキャプチャ」にチェックを入れると、画面をチョップするような体勢で手のひらを立てて、右か左にスワイプすることでスクリーンショットを取ることができる。ちょっと動作が大げさなので今回は使わなかったが、慣れてしまえば、こちらの操作の方が即座に使えて便利かもしれない。

b-mobile 4Gを挿してXiでの通信速度を測る(注2)

今回の端末は、NTTドコモとの契約がない状態で借り出した。そのまではWiFiがない環境では通信できない。だが、せっかくLTEサービス「Xi(クロッシイ)」を試せる端末があるのに、それを使わないままではもったいない。そこで、今回は日本通信の「b-mobile 4G」(マイクロSIMタイプ)を併用することにした。

日本通信のb-mobile 4G(マイクロSIM)タイプを装着して試用した
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この環境で、通信速度のベンチマークを実施した。Androidアプリ「Speedtest.net」で試した範囲では、場所は小金井市、時間帯は朝という条件で上り3307kbps、下り382kbpsを記録した。昼間だとここまでの速度は出ない場合が多い(このテストでは、LTEではなく3Gの「FOMAハイスピード」による接続の速度を測っているものと考えられる。注2)。

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写真は、新幹線で移動中にGPSの測位を試したところ。線路の上に現在位置を表示している。

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以上、今回借り出したGalaxy S IIIを試用した記録を記した。画面サイズが大きく、操作感は全体に良好で、安心して使える。筆者がAndroidやGalaxyシリーズにある程度慣れていることもあるが、使っていて「あれ?」と違和感を感じることは今回の試用期間にはなかった。特に手が小さな人以外には、ほとんどのユーザーにお勧めできるスマートフォンに仕上がっていると言っていいだろう。

今回は試用開始の前にソフトウエアアップデートを実施した
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今回試用した機種のバージョン情報(Android4.0.4、ビルド番号IMM76D.SC06DOMALG1)
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関連記事:

(注1) 今回の記事は、広告代理店から端末を借り受けて書いた。その意味で完全に中立な記事ではないと考える人がいるかもしれない。筆者としては、執筆の基準は他の商業Web媒体と変えずに書いたつもりである。

(注2) 今回のベンチマークテストでは、LTE接続ではなく「FOMAハイスピード」であることを示すインジケータが表示されていた。また、ベンチマークのping値は116msだったが、遅延が少ないLTE通信では通常はもっと短いping値になる。このテスト結果は、LTE(Xi)ではなく「FOMAハイスピード」で接続した時のものと考えられる。

追記:

2012/08/26、(注2)を追加。

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