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TizenはスマートフォンOSとしては後発だが数千万台の市場、HTML5アプリのターゲットとして有望か

HTML5ベースのモバイルアプリを作りたい人にとって、Tizenは有望なターゲットといえる──こんな意見を、Tizenの勉強会で聞きました。

Tizen Developer Phone
Tizen Conferenceや、LinuxConなどで配布された開発者向け端末。市販スマートフォンのような完成度はありませんが、実際に動くTizenを試すことができます。

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勉強会の名称は「第1回 Tizen勉強会」(ATNDtogetter)。Tizen(タイゼン)の技術を語る勉強会だったのですが、私には市場について語った @himamura さんの話が印象的でした。

Tizenは、IntelとNokiaが推進していた「MeeGo」の末裔という性格もありますが、重要なのはサムスンが作っているLinuxベースの独自スマートフォンOS「Bada」の後継という性格を持つことです。

Badaを搭載したスマートフォンは2011年第1四半期に世界で350万台を売り上げているそうです。1年前のペースで、すでに年間1400万台規模ということですね。また2011年第3四半期には中国だけで250万台を売り上げ、200万台を売ったWindows Phoneを数量で抜いたそうです。Bada端末の特徴は低価格なことで、ヨーロッパではiOS端末が230ドル、Android端末が約100ドルで売られているのに対して、Bada端末は約66ドルとのことです。

Badaはすでにそれなりの存在感があるOSなのです。その後継がTizenということは、数千万台規模のTizen端末が世界中で出回ることが期待できる訳です。

日本でTizenスマートフォンが普及する可能性は @himamura さんによれば「ない」のですが、日本ではともかく世界的にはそれほど無視はできない規模になるはずです。この数千万台の端末をターゲットとしてHTML5ベースのアプリを開発する人たちも相当数出てくる可能性があります。

そして、HTML5ベースのモバイルアプリは、ひょっとすると未来を先取りしているのかもしれません。

@gclue_akira さんは、TizenやBlackBerry10は、実はHTML5に関しては先行していることを説明しました。HTML5 Testの結果を見ると、実はiPhoneやAndroidよりもTizenの方がスコアがいいのです。

各スマートフォンOSのHTML5 Testのスコア

  • iPhone 324
  • Android 275
  • Tizen 400
  • BlackBerry10 376
  • B2G(Mozilla) 310

HTML5スコアの比較

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TizenのHTML5スコアは400

P1080934

Tizenの開発環境はHTML5

P1080933

iPhoneとAndroidがネイティブアプリ開発者を抱え込んでいることから、「後発組」はHTML5にフォーカスし、その実行環境の完成度ではiPhone、Androidをしのぐ所にきているのです。

そして、iPhoneやAndroidでも今後HTML5の対応は強化されていくはずです。

@gclue_akira さんは、さらに進んで、HTML5ベースで新たなモバイルコンテンツのマーケットが成立すると、日本のモバイルコンテンツ産業にとっては良いシナリオを作れるのではないか、という問題意識を語りました。

Tizenの次期バージョンではネイティブAPIが公開されることになっています。Tizenを、LinuxベースのOS環境として使いたい人にとっても、今後はより面白いことができるようになりそうです。

「Tizenの上でAndroidを動かす動画」なるものも見ました。 OpenMobile ALC for Tizenというプロダクトは、Tizen上でAndroidアプリを実行する環境を提供します。ALC(Application Compatibility Layer)は米OpenMobile World Wide Inc.の製品で、LinuxやWindowsなど多様なプラットフォームの上でAndroidアプリをそのまま動かすというものです。

Tizen上でAndroidアプリを動かすALC for Tizen

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スマートフォンの世界は、iPhone、Androidの2大勢力が競い、Windows Phoneもがんばっています。しかし、後発組のTizen、BlackBerry10も、HTML5の先取りという手を打ってきました。ここで名前の挙がった環境の全部が無事に成長を続けるかどうかは分かりません。ただ、今後、スマートフォンやそれ以外の組み込み機器の世界でもHTML5の実行環境と開発環境が今後良くなることは確実です。スマートフォン向けアプリ開発の手段としてのHTML5が、今後重要性を増す可能性は大きいといえるでしょう。

Togetter 2012/06/09_第1回Tizen勉強会( #TizenJP )

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