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国際規格になったRubyだがIPAでの今後の標準化活動予定は「白紙」、活動継続への努力が続く

Ruby言語がISO/IEC 30170として国際規格となったことを祝う講演会が開催された。日本発のプログラミング言語が国際規格になるのは初めて、実にめでたい場のはずだが、ここで明らかになったことは今後の活動予定が「白紙」であることだった。標準化活動を継続できなければ、生きた標準とは言えなくなってしまう。

講演会の名称はRuby国際標準化報告会。2012年6月5日に学術総合センターにて開催された。

パネルディスカッションから
左からモデレータ田代秀一氏、Ruby言語開発者まつもとゆきひろ氏、Ruby標準化検討WG委員長 中田育男氏、日立ソリューションズ正村勉氏

P1080883

講演会の主な内容は、「Rubyのパパ」まつもとゆきひろ氏の講演、IPA( 情報処理推進機構 )でRuby標準化検討ワーキンググループ委員長を務めた中田育男氏による講演、Rubyベースの大規模システムを構築した経験を語る日立ソリューションズ正村勉氏の講演、そしてパネル・ディスカッションという構成だった。ロボット制御などへ広がるRubyの現状、大規模システムへのRuby適用の成功事例の報告など、講演会全体としては国際規格の成立による今後のRubyの発展への期待に満ちたものだった。講演会の概要はメディアの記事に掲載済みだ。

ここで、中田氏の講演の質疑応答の最中、関係者一同にとって非常に気になる話が出た。今後のスケジュールについて質問された中田氏は、言葉を選びつつ「今後のスケジュールは、残念ながら、ありません」と語ったのだ(Ustream配信の28:40頃から参照)。

国際規格が成立したことで、IPAではRuby標準化の活動はいったん終わり、という扱いになるという。だがRubyの国際規格ISO/IEC 30170が「生きた標準」であり続けるためには、標準の見直し、範囲の拡大(例えば、Ruby1.9やRuby2.0の仕様の取り入れなど)を継続的に行っていく活動が欠かせない。その活動の予定が現時点ではない、というのである。

続くパネルディスカッションでは、モデレータの田代秀一氏(IPA)が標準化の今後について触れ、Rubyのビジネス活用を推進する団体であるRubyアソシエーションの役割を期待するという趣旨の発言をした。この発言を受けて、Rubyアソシエーション理事長でもあるまつもとゆきひろ氏は「Rubyアソシエーションも正直、経済的に脆弱なので、なかなか」と本音を語った。このパネルディスカッションの議論の上では、中田氏を含め関係者全員が、未定の部分は多いものの「今後の作業を継続」することについては合意した形となったが、リソース投入の主体については不透明感が残った。

パネルディスカッションの後にまつもとゆきひろ氏に聞いたところでは「当事者の間では、国際規格が成立したからといって、標準化の作業量が減るという感覚はない」という。だが、IPAの支援は今までのような手厚いものではなくなるという。今後の標準化活動への資金、人的リソースの手当は、関係者にとって重い問題としてのしかかる。

せっかく「初めての日本発のプログラミング言語の国際標準」となったRubyを称揚するイベントも開催したのだから、ここは継続的なリソース投入のコミットメントを聞きたかったところだが、現実は簡単ではなさそうだ。

追記:

まつもとゆきひろ氏から補足を頂いたので、追記しておきます。

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