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日本オラクルの説明会でJava EE6事例とJava EE7のクラウド機能の説明を聞く

日本オラクルが2012年6月29日に開催したプレス/アナリスト向けのエンタープライズJavaテクノロジーとアプリケーションサーバーWebLogic Server 12cに関する説明会を聞きに行きました。

伊藤敬氏(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャー)
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この説明会の骨子(メッセージ)を自分なりに抽出すると次のようになります。

  • (1)古いJavaテクノロジから、新しいJavaテクノロジに移行しよう。
  • (2)Java EE6の導入事例が出始めた。開発生産性の向上というメリットが出ている事例も。
  • (3)仕様策定中のJava EE7ではクラウド機能を導入する。Java EE6の導入は、Java EE7への準備ともなる。

以下、それぞれ説明します。

(1)Java EE標準のカバー範囲が広がり、古いJavaフレームワーク(Struts、DIコンテナ等)からJava EEへの「回帰」が起きている

日本オラクルの寺田佳央氏(シニアJavaエバンジェリスト)
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日本オラクルの寺田佳央氏(シニアJavaエバンジェリスト)が紹介した、日本のJava関連イベントで実施したアンケートによれば、JavaによるWebアプリ構築フレームワーク「Struts」を利用しているユーザーは33%(回答数95、複数回答可)。

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一方、Eclipseコミュニティが実施した調査では、Struts1.x、Struts2.xの利用率は、2010年に5%台だったものが、2012年には1.3%に激減しているとのことです。特にStrus1.xは2008年10月から更新が止まっているので、もはや古い技術、としています。

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要は、日本の企業ユーザーは、古いJavaテクノロジ(特に古いStrutsフレームワーク)に偏っている傾向があるのではないか、という指摘です。

また、一時期はJavaテクノロジとオープンソースのフレームワークStruts(Webフレームワーク)、Spring(DIコンテナ)、Hibernate(オブジェクト永続化)を組み合わせる構築手法が注目されていたのですが(これに日本だとSeasar2が加わります)、今のJava EEテクノロジにはWebフレームワークのJSFも、DIコンテナの機能も、オブジェクト永続化の機能(JPA)も含まれている。標準テクノロジを使う方が、構成管理やセキュリティパッチの適用などの労力も減り、リスクも減らせる、という説明です。

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(2)現行の最新バージョンであるJava EE6には開発生産性の高さという重要なメリットがある。日本の大手ユーザー企業もJava EE6に注目する会社が出始めた。

企業名は明らかにしませんでしたが、日本国内でも大手企業5社がJava EE6とWebLogic Serverで成果を出しつつあることを紹介しました。

  1. 「国内大手金融機関」が、WebLogic Server 12cとJava EE6を開発に採用、コード量の削減など生産性向上の効果が出始めている
  2. 「国内大手通信会社」が、大規模システムで早期に問題切り分けする目的からWebLogic Serverの機能JRockit Flight Recorderを採用。本番環境でJava仮想マシンのプロファイリングを実施できることから、問題の「見える化」に貢献
  3. 「国内大手流通会社」が性能劣化の解析、メモリ監視のためWebLogci Serverの機能JRockit Mission Control、JRockit Flight Recorderを採用、システム運用に活用
  4. 「国内大手運輸会社」が、WebLogic Serverの無停止アプリケーション更新機能(実稼働を続けながらアプリケーションを更新する機能)を活用、運用停止時間を大幅に削減
  5. 「国内大手保険会社」が、アプリケーションのリリースのたびに休日・深夜の作業を強いられていたが、これを削減するためWebLogic Serverの無停止アプリケーション更新機能を活用

何回か名前が出てくる「JRockit Flight Recorder」は、WebLogicに含まれている高速Java仮想マシンJRockitの機能です。特に、本番稼働システムにも適用できる低負荷のログ収集機能を特徴としています。「開発環境でバグを再現する」といった手間をかけずに、本番稼働中の現象を分析できるメリットが評価されているということです。

Java EE6の生産性向上に関する評価ですが、この日の説明会では次のスライドを見せました。Java EEは、一時期は「記述するべきコード量が多すぎる」との批判をよく浴びていたのですが、最新のJava EE6では違うんですよ、と訴えています。

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(3)次世代のJava EE7ではクラウド機能が強化される方向。そのJava EE7への準備として、(古いJavaテクノロジから)現行のJava EE6に移行してほしい

Java EE7は使用策定中の段階ですが、方向性としては

  • プロビジョニング
    配備者、管理者が手間をかけることなく、プログラム中のアノテーション記述だけでリソースの設定・準備が可能。もちろん配備者が自分で設定することも可能。
  • Elasticity(伸縮性)
    「CPU稼働率が80%を越えたらCPU割り当てを増やす」といった自律サービスレベル管理が可能。
  • マルチテナンシー
    同一アプリケーションをテナント毎に分割可能。データベースを共有したり、同一アプリケーションを共有したり、ニーズに応じて複数のパターンを適用できる。

マルチテナンシー機能のパターン。Java EE7ではこの4パターンのいずれも構築可能
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最後に、8月2日に国内ユーザー企業らを講師に迎えてOracle WebLogic Server 12c Forumを開催すること、また8月23日に、海外から講師を招いてJava EEの特別セミナーを開催することを報告しました。

この日の説明者の1人、伊藤敬氏(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャー)は、先の4月に開かれたJavaOne Tokyoカンファレンスの場で「Java EE6を日本でもっと広めたい」と感じたそうです。実際、何年も前の古いテクノロジを使い続けているエンタープライズIT開発者は大勢います。

Java EE7のクラウド対応では、仮想マシンではなくアプリケーションサーバーのレイヤーでのクラウド化を実現します。例えば企業内ITを、手軽な形で「プライベートクラウド化」できるようになるはずです。今まで、企業内ITではVMwareなどによる仮想マシン技術を使ったプライベートクラウド(IaaS)はありましたが、Java EE7では、プログラミング言語プラットフォーム/アプリケーションサーバーというレイヤーでのPaaS機能をエンタープライズITで利用可能になります。そこでどういう使い方が効果的か、といった議論はまだ始まったばかりですが、技術的にはとても興味深い話題だと思います。

エンタープライズITの現場は保守的です。「前のバージョンで動いているなら、それでいいじゃないか」という判断に傾きがちな場合が多いでしょう。

とはいえITの歴史を振り返ると、エンジニアが良いと判断したテクノロジは、最終的にはユーザーにとっても良い結果を生むはずです。新しいJavaテクノロジについて調べたり、議論したりする動きが盛んになることは、きっと良いことに違いないと思います。

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