2800円のボードコンピュータでプログラミングを体験できるRaspberry Pi
本体が約2800円、英国からの送料込みでも約3400円、サイズは85.6 x 53.98 mm2と名刺サイズ、そんなボードコンピュータでプログラミングの勉強ができる──そういう時代になりました。
ボードコンピュータの名前は「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」、開発したのは英ケンブリッジ大学のエンジニアらで、子どもたちがコーディングやプログラミングを学べるよう設計したということです。BBCの報道映像(このBlogエントリに貼ってあります)を見ると、
- 普通のテレビをHDMI端子で接続
- 普通のPC用のキーボードとマウスをUSB端子に接続
- 電源はmicro USB端子で供給
- ストレージはSDカードを利用
これだけで、Linuxを起動し、教育用のビジュアルプログラミング環境「Scratch」を動かしています。ほか、各種チュートリアルのビデオが公開されています。
Raspberry Pi(右側)の外観。Arduino Uno(左側)とは得意分野が違う
コモディティ化した部品類と、オープンソースで公開されているソフトウエアを組み合わせることで、2800円で立派なコンピュータが作れてしまう訳ですね。
こういう代物を見ると何かせずにはいられない人が、大勢います。早くもChromeOSのオープンソース版「 Chromium OS」を移植した事例や、Node.jsを移植した事例が登場しています。
スペックはこんな感じです。
- CPU:Broadcom BCM2835 700MHz ARM1176JZFS processor with FPU and Videocore 4 GPU
- GPUによりOpen GL ES 2.0のハードウエアアクセラレーション機能を提供
- OpenVG, and 1080p30 H.264 high-profile decode
- GPUの能力は1Gpixel/s、1.5Gtexel/s、24GFLOPs with texture filtering and DMA infrastructure
- 256MB RAM
- SDカードよりブート。 Fedora Linuxが動作
- 10/100 BaseT Ethernet socket
- HDMI端子
- USB 2.0端子
- RCAビデオ端子(アナログビデオ出力)
- SD card socket
- 電源はmicroUSBから供給
- 3.5mm audio out jack
- Header footprint for camera connection
- Size: 85.6 x 53.98 x 17mm
ところで、小型のボードコンピュータというとArduinoを連想する人も多いと思います。公式サイトを見ると、Arduinoとの比較に言及した記事があります。「あれこれ言う人もいるが、Arduinoはマイクロコントーラ搭載ボードで、Raspberry Piはアプリケーションプロセッサ搭載のボード。それぞれに適した使いどころがあるんだよ」という説明です(Raspberry Pi and Arduino)。
「Raspberry Pi PCBA Type B」の価格は£21.60(英国ポンド)+送料£4.95。本体が約2800円、送料込みで約3400円、といったところです(1英ポンド=129円で換算)。
このボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」は4月頭の時点で25万件の予約受付があり、うち4000件が日本から、とのこと。教育用だけでも非常に「使いで」がある素材だと思いますが、教育以外の分野でも使われそうな予感がします。
以下、販売サイトの情報と、メディアの記事類のリンクを挙げておきます。
- 販売サイトの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)に関するFAQ」
- Raspberry Pi(Wikipedia)
- カードサイズPC " Raspberry Pi " 国内でも近日発売、3400円(Engadget)
- カードサイズPC「Raspberry Pi」今度こそ出荷開始、一枚 約2800円 (動画)(Engadget)
- 超小型コンピュータ「Raspberry Pi」出荷が始まる 日本でも4000件超の購入希望(ITmedia)
- RS、名刺よりも小さい超小型Linux PC「Raspberry Pi」の出荷を開始(マイナビ)
- カードサイズの超小型35ドルPC、発売数時間で完売 英国
- 手乗りパソコン:狩野恵里 - とれタマレポーターBlog (「ワールドビジネスサテライト」で紹介)
- 名刺サイズの3千円PC「ラズベリーパイ」…ケンブリッジから世界中の子ども達へ (ReseMom)
- ARMベース、3,400円の格安Linux基板「Raspberry Pi」が展示 HDMIも搭載(AKIBA PC Hotline)
BBCの報道(普通のテレビとパソコン用キーボード/マウスをつなぎ、Linuxを起動してプログラミング環境Scratchを動かして見せています)
追記:
本文末の記事リンク集に記事を追加しました。
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で取り上げられた動画を見つけましたので、リンクを張っておきます。
追記:
公式Blog掲載の写真を1点追加しました。
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