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「Galaxy S II LTE」を試す(前編)──4.5インチの大画面は快適、性能はSⅡと同等

Galaxy S II LTEの評価機を2週間強の間、借り出す機会を得た(注1)。NTTドコモが販売するサムスン電子製の端末で、次世代の高速通信サービスLTEに対応した最初のAndroidスマートフォンの一つ、という位置づけである。この2011年11月24日から発売開始されたばかりの機種だが、今回は発売直前に評価用端末の貸し出しを受けることができた。

持った時にまず感じる印象は「画面がでかい」というものだ。4.5インチの大型ディスプレイを搭載し、本体もやや大ぶりだが、画面が見やすく、使いやすい。性能も高水準で、使っていて快適な機種だ。この記事は「前編」では本体とカメラの印象を記し、「後編」ではソフトウエアや、近接通信機能NFCなどついて見ていきたい。

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NTTドコモのWebサイトを見ると、この機種の正式名称は「docomo NEXT series GALAXY S II LTE SC-03D」ということになるのだが、あまりにも長い。今回の記事では、タイトルで「Galaxy SⅡ LTE」と表記し、以下の本文では「SⅡ LTE」と略記する。

非常に残念なことだが、今回借りることができた評価機はUSIMカード未装着の状態だった。そのため、本機種の最大の特徴といえるLTEサービス(Xi)による高速通信を試すことはできなかった。前回、「SⅡ」を評価した時には「b-mobile1GB定額」SIMを端末に装着して使ったが、このSIMは日本通信のホームページの説明によればXi端末には対応していない。念のため試してみたが、通信はできなかった(たとえXiは使えなくとも、FOMAによる通信ができれば評価の幅が広がる、という目論見だったのだが)。そこで今回はもっぱらWiFiで通信するやり方で評価した。

「SⅡ」と比べるとわずかに大振りの本体

SⅡ LTEは、先日評価したGalaxy SⅡの強化版といえる。主な違いは、4.5インチとより大きな画面サイズ、1850mAhとより大容量のバッテリー、それに、今回は試せなかったがLTEによる高速通信ということになる。一方、本体はわずかに大振りになり、またワンセグの機能は備えない。搭載するプロセッサも変更されている。

まず、本体寸法を見てみよう。

SⅡ LTE
高さ 約 130mm×幅 約 69mm×厚さ 約 9.5mm(最厚部 約 10.8mm)

SⅡ
高さ 約 126mm×幅 約 66mm×厚さ 約 8.9mm(最厚部 約 10.3mm)

SⅡ LTEは、SⅡに対して高さは4mm、幅は3mm、厚みは0.6mm(最厚部は0.5mm)、重量は10g、増えている。数字の上では厚みがわずかに増えただけだが、手に持ってみるとかなり印象が違う。SⅡの記憶が手に残っているので、「ちょっと太った?」と感じる。本体の大きさに対してその薄さが際立っていたSⅡの方が「とんがったデザイン」だったと思う。一方、SⅡ LTEは誰にでも馴染むオーソドックスなデザインになった、といえるかもしれない。

要望がひとつ。これぐらいの大きさと重量になると、梨地のようなより摩擦感がある外装が欲しくなる。今の材質だと、手から滑り落ちるのを警戒して、ついつい手に無駄な力が入っているように感じる。おそらく、外装を変えるだけでずっと軽く感じられるようになるだろう。

SⅡには日本独自仕様としてワンセグ機能が入っていたが、このSⅡ LTEにはワンセグ機能はない。NTTドコモのWebサイトに掲載されている担当者の談話によれば、LTE搭載の機種を早期に市場投入することを優先した、ということらしい。

搭載するプロセッサは、デュアルコア1.5GHz動作のクアルコム製「APQ8060」と伝えられている。SⅡ搭載の1.2GHz動作サムスン製「S5PC210」とは異なるプロセッサである。総合ベンチマークのQuadrant Standardや、操作感で見る限り、SⅡとの大きな差は感じられない(ベンチマーク結果は次回の「後編」で報告する)。個別のベンチマーク結果を細かく見ていけばプロセッサによる得意不得意があるかもしれないが、ざっくり言えばSⅡとSⅡ LTEの性能は同水準である。つまり、アプリのインストールや、ブラウザでのFlash利用のような重たい操作も軽々とこなす。全体に動作が軽く、使っていて気持ちがいい機種である。

他のGalaxyシリーズにも共通する話題だが、ストレージ容量が大きな点は非常にありがたい。本体の「システムメモリー」は、「設定→ストレージ」から確認できる領域が約1.9Gバイトあり、「ユーザーメモリー」が11.2Gバイト、さらに外部SDカードも使うことができる。システムメモリーの余裕がない機種では、アプリを導入していくとすぐ「空き容量が不足しています」と表示されてしまい、不要なアプリを探して削除したり、SDカードへ移動できるアプリを探したり、という手間が発生する。ストレージに余裕がある機種は、心理的な余裕をもって使えるように思う。

搭載するカメラのスペックは、画素数約810万のLEDフラッシュ、オートフォーカス付き。スペック、写りとも、「SⅡ」と同等だった。SⅡ LTEはカメラ機能を強調して宣伝している機種ではないが、十分に「使える」カメラである。携帯電話搭載カメラとしては、これぐらいのスペックがあれば、私にとっては大きな不満はない。欲を言えば、カメラ起動や、シャッターボタンを押してから撮影するまでの一連の動作のレスポンスがもっと速くなれば、より快適に使えるだろう。

以下に、SⅡ LTEのカメラによる実写サンプルをいくつか置いておく。おおむね良好な描写が得られた。プレビューにグリッドを表示する機能は、建物、風景などの撮影ではとても有用だった。例えば、4枚目、昔懐かしい郵便ポストの写真では、グリッド表示を使ってポストの描写が歪まないように注意した。

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画面サイズは4.5インチと大きめだが、画面解像度はSⅡと同じWVGA(800×480画素)だ。この秋冬モデルのスマートフォンでは、より高解像度のHD解像度(1280×720画素)の機種も登場している。ただ、4.5インチWVGA解像度のSⅡ LTEが解像感が不足しているという印象は全くない。

ディスプレイの印象として、今までのGalaxyシリーズに比べるとコントラストが強調されすぎない印象がある。明るさを調整できる範囲は、暗い側に広くなった。画面サイズ、コントラスト、明るさ調整機能を合わせ、全体にSⅡに比べてより目に優しい方向に向かっていて、これは私にとっては歓迎したいことである。

4.5インチという画面サイズはやはり快適で、複数の端末を使っていても、ついついこの端末に手を伸ばしてしまうだけの魅力がある。SⅡ LTEは、大画面の魅力を改めて感じさせてくれる機種だった。次回の「後編」では、ソフトウエアや搭載するNFC機能について見ていきたい。

SAMSUNG mobile JAPAN オフィシャルサイト

(注1) 前回のSⅡレビュー記事と同じく、借り受けた相手は広告代理店である。ただし、記事の書き方としては、中立的な編集記事と同じ基準で書いたつもりである。

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