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May 2007

SunのRIA製品であるJavaFXについて分かってきたこと

コモンズ・メディアBlogのコピーです。→http://www.commonsmedia.jp/leaf/21

今年のJavaOneでのSun Microsystemsの発表の目玉は、JavaFXとOpenJDKです。

両者は対照的です。

OpenJDKは、Javaテクノロジーのオープンソース化の成果物です。Sunには過去何年間にも渡り「Javaをオープンソース化しろ」という外圧がかかってきていたのですが、2006年11月にJavaテクノロジー全体をGPLライセンスでオープンソースにすることを発表、2007年に入りようやく実現しました。

Java互換性を検証するテスト・スイート(TCK)も含め、コミュニティの共有財産とします。コミュニティの舵取りのための委員会も設置して、オープンなガバナンスを実現する準備を進めています。

JavaFXはJavaテクノロジーの一部ではなく、Sunの「製品」

一方、JavaFXはSunの製品ファミリです。

ここで「製品」という言葉には説明が必要です。

Javaテクノロジーは製品ではありません。オープンソース化によって、Javaテクノロジーは名実ともにコミュニティの共有財産(コモンズ)となろうとしています。

一方、Sunは「JavaFXはJavaテクノロジーに基づく製品」、という言い方をしています。ややこしいですね。

製品とJavaテクノロジーの違いは?

Javaテクノロジー全体はコミュニティの共有財産であり、技術仕様もコミュニティが決め、実装はオープンソースとして公開します。

一方、JavaFXはSunの製品ですから、仕様を決めるのはSunです。ただし、ソースコードはGPLでオープンソースにするということです。

JavaFXはRIA(Rich Internet Application)向け

JavaFXはRIA(Rich Internet Application)を実現するための製品です。Ajaxよりリッチでクールな動くWebコンテンツの開発ツールです。

JavaFXとは、要するにSwing(JavaのGUIコンポーネント)をスクリプト言語で操作して、Flashライクな動的Webコンテンツを作りましょう、という技術です。その動作環境は、JavaをインストールしたデスクトップPC(Windows、MacOS、Linux、ほか各種UNIX)と、それにJavaFX Mobileを搭載した携帯電話です(事情が若干込み入っているので、後でもう一回説明します)。


RIAの分野では、Adobe Apollo、Microsoft Silverlightと、有力ベンダーが力の入った製品を発表しています。JavaFXは、これらと競合する技術として位置づけています。

大胆です。しかも率直にいって、Sunが投入している開発リソースは、先行2社に及ばないように見受けられます。

しかし、考えてみると、今の時期に発表しなければ、先行するAdobeやMicrosoftとの差がますます開いてしまい、とうてい追いつけなくなることが予想されます。必ずしも充分な準備はできていないが、タイミングを逃さないために勝負に出たというところでしょうか? それに、もしAdobeやMicrosoftに勝てなかったとしても(勝つことは非常に困難でしょうが)、Sunにとっては会社が傾くようなダメージにはならないでしょうから。

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JavaOne2007でErlang、Ruby、JavaFX Scriptの話を聞く

# これはコモンズ・メディアBlogのコピーです。
http://www.commonsmedia.jp/leaf/20

サンフランシスコで5月8日から開催のJavaOne2007を取材中です。

今、1日目が終わったところです。

JavaOneは、推定2万人以上の参加者が集まるイベントで、Java、いやソフトウエア開発に関するイベントとしては世界最大級です。1996年の第1回開催から数えて、サンフランシスコでは12回目の開催です。

では、内容はおおむね予測可能で、びっくりするような事はないだろう・・・と思っていたら、様子が違います。

同社のWebテクノロジー・ディレクタTim Bray氏は「(エリクソンが開発した)Erlangのような並列処理の機能を、RubyやJavaのような『普通の』言語にも取り入れることを検討している」と語ってくれました。

JRubyの開発チームであるCharles NutterとThomas Eneboは、「Ruby処理系のテスト・ツールはまだ整備が必要。自分たちで作ったテスト・ツールを公開してもいいと考えている」と話してくれました。そうそう、JRuby1.0は、6月のRubyKaigiまでにはリリースできるとのことです。

そして、Sun Microsystemsは、携帯電話や情報家電向けの新技術「JavaFX」を発表。

JavaFXの内容は、Java SEの上に携帯電話に必要なソフトウエア・スイート一式を搭載したJavaFX Mobile(Sunが買収したSavaJe Technologies社の製品を元にしたもの)と、携帯電話やWebコンテンツのユーザー・インタフェース開発向けの新スクリプト言語「JavaFX Script」から構成します。

JavaFX Scriptは、静的な型付けと、インクリメンタルな評価機構を備え、Java APIを直接呼び出せるスクリプト言語です。

今になって新しいスクリプト言語が出てくるとは思いませんでした。特に、動的言語がメインスリームになりつつある今、あえて「静的」な点が、実行性能にこだわるJames Goslingらしい発想です。

そう言いつつも、Sun社内の各種プロジェクトでは、JRubyへの対応が進んでいます。

Javaの最先端は、もうJavaではないのです。

追記:「実行性能にこだわるJames Goslingらしい発想です。」

と書きましたが、その後Gosling本人のコメントによれば「JavaFX Scriptの開発は、100% Chris Oliverの仕事だよ。私は調整役のようなものだ」とのことです。

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