インド洋大津波についてA・C・クラークが発言,「宇宙監視も忘れるな」
SF作家アーサー・C・クラークが,04年12月26日のインド洋大津波に関してエッセイを公開している。"Times Higher Education Supplement"誌の1月19日号に寄稿したもの。
●Once and Future Tsunamis by Sir Arthur C. Clarke
クラークは,1957年に書いたセイロン島(当時の呼称)に関するノンフィクション The Reefs of Taprobane の中で,1883年にこの地を襲った大津波について書いている。それを引用しつつ,クラークは言う。1883年当時の人々は「海岸線が大きく後退したら,高台に逃げろ」という知識を持っていた。21世紀の今,誰もその知識を持っていなかった,と。
押さえた筆致だがクラークの嘆きは深いはずだ。科学知識を普及させるために一生を捧げてきたのだから。
続けて,『幼年期の終り』でも津波が登場することや,『グランド・バンクスの幻影』,『遥かなる地球の歌』 が海洋災害を扱っていることに言及している。
エッセイの締めくくりは,『宇宙のランデヴー』 で描かれたスペースガード,つまり地球に衝突しそうな隕石の監視体制,の必要性だ。
「20世紀,知られているものだけで,1908年と1947年のシベリア,1930年のブラジルと3回の大きな隕石落下があった。この惑星の2/3が海洋であることを考えると,隕石衝突が引き起こす津波被害に備えなくてはならない」。
SF作家は未来を予測するのではなく,望ましくない未来を回避しようとしているのだ,とクラークは言う。クラークは,不幸な現実を見せつけられながらも,取りうる対策を提案し続ける現実的な楽観主義者なのだ。

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